エネルギーとしてのガスの歴史は意外に古い。世界で初めてガスが使用されたのは1792年で、スコットランドの技師が石炭を蒸し焼きにしたときに出るガスを利用してガス灯を灯したことが始まりだそうだ。また、日本で初めてLPガスの存在が知られるようになったのは、今から約90年前にドイツの飛行船「ツェッペリン伯号LZ127」が茨城県の霞ヶ浦沿岸に着陸した時だったが、エネルギー市場に本格的に登場したのは戦後になってからである。以上のような背景を踏まえ、LPガス事業について、社史を介してそのガス事業の回顧を試みたい。今回はミツウロコグループホールディングスに焦点を当てた。
同社の創立は、1925(大正15)年に遡る。28年にはミツウロコのブランドマークを登録するなど、練炭の品質改良、経営の合理化、企業イメージの向上などに努め、業績を伸ばしていった。家庭燃料として重要性を増してきた練炭・豆炭の生産では活況を呈した。(以下本紙掲載に続く)