日本ガス石油機器工業会(髙木裕三会長)はこのほど、「ガス・石油機器出荷実績見込みと予測2021」を発表した。
2020年度は、1月に発生した新型コロナウイルス感染症の影響により、日本を含め、世界経済は大きな影響を被った。国内の経済情勢においても、渡航自粛による外国人観光客の激減により、インバウンド需要に多くを頼っていた観光業が大きく影響を受ける形となった。
ガス・石油機器の出荷に係わるところでは、新設住宅着工戸数が19年に引き続き、賃貸住宅を中心に減少しており、20年暦年では前年比一割減の約81万5千戸となった。新型コロナウイルス感染症による外出自粛に伴う巣ごもり需要によって、カセットこんろを中心に需要が伸び、ここ数年暖冬の影響によって続いていた石油暖房機器の出荷についても寒波がしばしば訪れたことで、出荷台数・金額ともに19年度を上回る結果となった。
20年度の出荷金額はガス機器全体2,750億円(前年比102.5%)、石油機器全体811億円(同102.6%)、ガス・石油機器合計で3,561億円(同102.5%)と見込まれる。
21年度は延期となった東京オリンピック・パラリンピックが開催される予定だが、新型コロナウイルス感染症の影響が続きと、20年度同様に、経済活動や消費マインドの冷え込みが懸念される。21年度の出荷金額はガス機器全体2,722億円(前年比99%)、石油機器全体807億円(同99%)、ガス・石油機器合計で3,529億円(同99%)と前年並みと予測する。