岩谷産業(間島寛社長)は5月17日、2021年3月期の決算発表記者会見をオンラインで開催した。同会見では、同社の2021年3月期(2020年4月1日~2021年3月31日)の連結実績を発表するとともに、事業内容を説明した。
同社を代表して間島社長が2021年3月期の連結決算について説明した。それによると、売上高6,355億9,000万円(前期比7.5%減)、営業利益299億8,600万円(同4.4%増)、経常利益344億600万円(同6.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益232億700万円(同10.5%増)を計上した。
当連結会計年度における日本経済は、国内外での新型コロナウイルスの影響により、第1四半期に経済活動が制限された結果、個人消費や設備投資が大きく落ち込んだ。第2四半期以降は、緊急事態宣言解除後の経済活動の再開に伴い、回復傾向が続いたが、未だ収束の目途は立っておらず、依然として不透明な状況は続いている。
同社の概況では、売上高は新型コロナウイルスの影響により、工業分野向け主力商品の販売が減少したことに加え、LPガス輸入価格が低位に推移し減収するも、消費者向け商品の販売増加やLPガス市況要因による影響、販売管理費の減少および営業外損益の改善などにより、全利益項目で増益となり、過去最高益を更新した。
このような状況の下、同社グループは中期経営計画「PLAN20」の基本方針である「成長戦略の推進」と「経営基盤の拡充」に取り組んだ。
脱炭素への取組みが加速するなか、共同代表者として参画している「水素バリューチェーン推進協議会」では、水素社会の実現に向けた政策提言を政府に対して行った。
LPガス事業については、同社独自のIoTプラットフォーム「イワタニゲートウェイ」の事業化に向けた実証を完了し、2021年度より設置を進めていく。同社が持つ事業基盤にIoTプラットフォームを融合させ、高齢化や過疎化など地域が抱えるさまざまな問題の解決に向けて、新しいサービス・価値の創造に取り組む。
カートリッジガス事業については、アウトドアオリジナルブランド「FORE WINDS(フォアウィンズ)」の新製品の販売を国内と米国にて開始。引き続き、新商品の開発や既存商品の改良を進め、需要の開拓に努める。
この結果、当連結会計年度の経営成績については上記のとおりとなった。