出光興産は5月12日、中期経営計画(2026~2030年度)を発表。
今回はその中計に対する酒井則明社長の思いを、共同インタビューで語っていただいた。
内容は多岐にわたるが、その中でも原油調達の多角化や特約販売店・SSネットワークの取り組みなどを中心に紹介する。
――ホルムズ海峡の状況などによる原油調達の多角化の進捗について
酒井則明社長(以下敬称略) 中東情勢に対応した原油や製品の調達状況については2月28日以降、しばらくはどの程度、代替調達できるか、かなり不透明でした。しかし、経済産業省や政府に備蓄原油の放出をお願いしたところ、非常にスピーディーに決断していただき、国内に一定程度、安心感を与えることができました。
急に石油が途絶えて、経済活動や暮らしに大変な影響が出るのではないかという、極めて深刻な印象を持たずに進んだ。その一番大きな要因となったことは否定できないと思います。
われわれも当初は、代替調達ができる確証がないですから、備蓄原油をしっかり活用しようと動き、また4~5月には世界各地に向けて調達に動いたことで、順調に必要な量の確保ができる見通しが立ってきました。
原油は調達の交渉を始めて、量と価格が決まり、当時は非常に極端に価格が高い状況で簡単には交渉が進まないケースもありました。日本に到着する実際の原油や製品は場所にもよるが、3カ月後になるため、3月に交渉したものは6月の到着が予想できる。
4~5月以降は夏場になるというイメージで動いてきたため、6月上旬からは本当に備蓄原油の力を借りなくても、実際に調達した原油や製品で対応できる。例年と同様に製油所の稼働率が維持できるというのが、見えてきました。
また、関係省庁とは連携を取っていますので、高市早苗首相が6月以降、備蓄原油の放出を考えていないというのがあったが、それはわれわれ民間企業の調達状況などを確認されての発言であり、これから先もホルムズ海峡の状況が最終的にどうなるか、まだ見通しが立ちませんので、気を緩めることなく、必要な調達について先の見通しがしっかりと立つまでは緊急対応の状況であり、継続していかないといけない。
まずは皆さんに大きな心配をおかけするような不安がある状況ではないということは確かです。
